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The First Chapter : Interview with Kavieng Cheng (English ver.)

This conversation marks the tenth interview in the series *'Defining Moments: The First Start or the Turning Moment'*. We meet Kavieng Cheng, a multidisciplinary artist from Hong Kong whose practice flows between the roles of artist, art director, curator, and fashion photographer. For Kavieng, these are not separate professions but shifting lenses through which she interrogates reality—art as a phenomenological mode of existence, a continuous practice of sensing the world and questioning the given. Her work operates as an archaeology of the micro-psychological, drawn to the pre-linguistic realm: gestures that occur before words form, tensions held in the body, and fragmented moments that escape the conscious filter. Working across print, wood sculpture, and laser-cut forms, she explores the paradox between organic warmth and violent precision—a duality that mirrors the human psyche, structured yet chaotic, resilient yet profoundly fragile. It was her high school teacher Ms. ...

Interview with Hiroya Yamada (Japanese ver.)

    




Q. このたびはu1ギャラリーにお越しいただき、誠にありがとうございます。本日はインタビューにご協力いただき、心より感謝申し上げます。山田さんとこうしてお話しできることを、とても嬉しく思います。まずは、山田さんご自身のご経歴や、芸術の道を志すようになったきっかけについて、ぜひお聞かせいただきたいです。

A. 私は小学生低学年78歳の頃から絵に親しみ、それ以後も身近な教師にも恵まれて背中を押してもらいながら絵を描く楽さを経験出来ました。将来にわたっても絵画を続けていく決心をしたのは高等生時代の学校の美術教師や先輩達との出会いでした。その出会いがあったことは私にとっては幸運で現在でも作品を作り続けていくモチベーションとなっています。

そして20歳代前半から後半まで日本を離れて美術教育環境の整ったフランスに留学し、最終的にはパリの国立高等美術大学校(グラン・ゼコール)の造形空間学部修士課程修了を経て日本に帰国しました。帰国後はどの美術団体やグループにも属することなく、インスタグラムへの投稿や、国内外の美術公募展への出展、美術関連企業主催の企画展、ギャラリー主催の企画展への参加や個展等、別な仕事をしながら制作に励む現在に至っています。




柔らかな鼓動   110×87cm  キャンバスにミクストメディア、新聞紙のコラージュ




Q. これまでの作家活動の中で、特にご自身にとって転機となった作品やシリーズがあれば、その背景やエピソードもあわせてご紹介いただけますか。

A.  将来的にも絵画による表現活動を続けようと決心した高校生の時、最初に影響を受けたのはベルナール・ビュッフェの作品群でした。色彩を抑えながらもさまざまな表情を持った線を主体とした表現の強さにインパクトを受けました。10歳代の後半から20歳代の前半はポール・セザンヌの特に静物画や風景画の表現に影響を受けました。筆跡の面で捉えた立体感のある果物や、空気感まで伝わる風景画に心を打たれました。私がフランスで絵画を学ぶことを決めた理由としてセザンヌの存在がありました。セザンヌの表現に触発されたことで彼にゆかりある南フランスの街の公立美術学校(ボザール)に入学した私はその地に来て初めて街中での『マルシェ』(青空市場)を目にした時に衝撃的なインパクトとともに、色彩溢れるその光景は、これまで日本でアカデミックな基礎教育と具象的表現の経験しか無かった私に具象的世界観から抽象的世界観への入り口ともなり絵画表現に収まらず、立体的表現にも拡がるような計り知れない可能性と自身の解放を与えてくれました。マルシェを通してのモノの見方や表現の具体的な手本となり、良い参考となったのはバウハウスによる教育と理念でした。




Q. 創作のプロセスについてお伺いします。アイデアが生まれてから作品として形にしていくまでの、山田さんならではの制作手法について、ぜひ詳しく教えていただきたいです。また、観客の反応が制作にどのような影響を与えているかについても、ぜひお話を伺えたら嬉しいです。

A. 現在の私は平面による抽象的な表現を作品としていますが使うマテリアルは油彩絵具や水彩絵具にこだわらず平面のベース素材によってさまざまな媒体を使用しています。モチベーションとなるきっかけは、日常生活の中でごく身近に目にしたモノであったり季節や時間の移ろいであったり、人とのコミュニケーションのなかで感じたことになります。目にしたり感じた印象が形態や色彩へと置き換えられていきます。それはひと言でいうなら『心象的風景』と言えるかも知れません、作品によっては新聞紙の文字の一部やダンボール片、木片やスチロール片をコラージュします。私は抽象的表現を作品としている故にタイトルを非常に大切にしています。想いや感情を画面として置き換え、鑑賞者には作品とその背景となるタイトルが互いに共鳴し、作者である自分の想いと共感共有できる距離感であることが理想です。




十の戒め 31.5×40.5cm   画用紙に墨、水彩絵具、パステル、コンテ




Q. ご自身の活動や芸術観に影響を与えたアーティストや美術の潮流、あるいは特に印象に残っている作品があれば、ぜひ教えてください。それらがご自身の作品にどのように反映されているかについても、ぜひお聞かせいただきたいです。

A. 将来にわたっても作品を描き続けていくことを決心した高校生の頃、最初に影響を受けたのはベルナール・ビュッフェの作品群、10歳代後半から20歳代前半まではポール・セザンヌの静物画や風景画、フランスに渡り新たな教育と発見で気付かされたモノの見方や表現の多様性のきっかけともなったバウハウスの教育と理念。その中でもとりわけワシリー・カンディンスキーとパウル・クレーによる表現への造詣とアプローチには深く感銘を受け、在学中には絵画を含めたさまざまな表現物への反映を模索するきっかけとなり抽象的作品への導きともなり、現在に至っても『点・線・面』による私の造形表現の規範となっています。




Q. アーティストにとってインスピレーションは欠かせないものだと思いますが、山田さんは普段どのようなところからインスピレーションを得ていらっしゃいますか。また、そのインスピレーションをどのように作品へと昇華されているのか、具体的なエピソードがあればぜひお聞かせください。

A. 作品の着想やアイデアはごく日常生活の中で目にしたそこに在るモノ、人とのコミュニケーションでの印象、季節や時間の移ろいなどから創作のインスピレーションやモチベーションを得ることが多くあります。例えば時の流れのなかで風化し朽ちていく壁や雨垂れによる変色や滲みの模様、遠くに見える街灯り、内面的には希望や期待、歓びや悲哀、時には怒りの感情など。感じたインスピレーションを自分の心の中に取り込んだ時それは形態となり色彩となって置き換えられていきます。そして画面に向かった時に再構成されながら具現化されます。




Q. ご自身の作品を鑑賞される方々に、どのような体験や感情を持っていただきたいとお考えですか?特に伝えたいメッセージや思いがあれば、ぜひ教えてください。また、観客がご自身の意図とは異なる解釈をされた場合、それについてどのように感じられるのかも、ぜひお聞かせいただきたいです。

A. 私の作品は抽象的表現であるがゆえにタイトルを大切にしています。それは作品が自分の内面から創出されたイメージであるため鑑賞者にもその作品とタイトルが共感共有できる存在でありたいという想いからです。私は『視覚的言語』を作品のコンセプトとしています。心の中でイメージされ、表現された形態や色彩は『心象的風景』ですがタイトルとも共鳴できることを目指しています。

異なる解釈をされた場合、自分の意図と作品にこめた想いを説明しつつ、また別の世界観での見方として受けとめて、これからの自身のステップアップのための一助と考えたいと思います。




Q. 今後、実現したい「夢のプロジェクト」や、アーティストとしての今後の展望についてお聞かせください。また、近年のアートシーンの変化をどのように感じていらっしゃるか、その中でご自身が果たしたい役割についても教えていただけますか。

A. これまで自分なりに積み上げてきた表現は更に多くの人に直に見てもらえることが出来ればと思います。

作品が抽象表現なので古風でクラッシックなスペースよりも現代的でモダンな空間スペース、例えば人が集うようなカフェやバー、レストラン、あるいはクリニックや病院などの公共施設です。絵画作品のみならずスペース空間のプロデュースやイベント空間のプロデュース等の企画から携わることが出来るのが夢です。現代はボーダレスであり多様な価値観やモノの見方、既成概念に囚われる事のない自由な発想や発信が出来る時代です。例えば猫がブームになると猫をモチーフとした作品が売れるような世の中の流れですが、時代の流れや潮流は常に意識しながらも流行りに左右される事なく、多様な価値観の中で自分の作品の立ち位置と意義についてはこれまでの学びや、継続し重ねてきた経験を背景とする自分なりのモノの見方を貫いていきたいと考えています。




SHADOW  PLAY    114×88cm  木製パネルにミクストメ ディア、文字のコラージュ




Q. 山田さんの作品は、これまでどのように変化してきたのでしょうか?また、一貫して取り組んでいるテーマやアイデアがあれば、教えてください。そのテーマを貫くうえで大切にしている感性や哲学についても、ぜひお聞かせいただきたいです。

A. アカデミックで具象的表現での基礎教育は決して無駄では無く、発見や出会い、気づきによって抽象的表現に移行しても受けた基礎教育は造形表現の基盤となっていることを新ためて感じることがあります。

南仏で出会った『マルシェ』での光景が私に抽象表現世界への入り口でしたが果物や野菜を目にした時、それひとつからモノの見方や捉え方で理論的な抽象表現への行程が見えてきます。そして有機的な形態と無機的な形態との組み合わせや構成、またはあえて具象的表現を壊した時に新たに見え、そして現れてくる美しい形態に気付くこともあります。表現は『点・線・面』であり、『強・弱・太・細・硬・柔・明・暗・寒・暖』であると思っています。




Q. 山田さんが活動されている文化的・社会的、あるいは環境的な背景が、制作やテーマの選択に影響を与えていると感じることはありますか?もし身近な環境からインスピレーションを受けて生まれた作品があれば、ぜひご紹介いただきたいです。

A. 南フランスからパリの大学校に入学してからは学内外でも多彩な国籍の学生達との出会いもありました。

作品を通してだけで無くそれぞれの生活観や習慣、宗教観の違いや背景について新鮮な驚きの連続でしたがそれだけに彼らとのコミュニケーションを通して『人』という存在感が自分にとってまた新たなモチベーションとなりテーマとなりました。

在学中数年間のモチーフともなりましたが、帰国後もしばらくは『人』をテーマモチーフとして作品を制作していました。その後はより『人から派生する内在的な心象的風景』がテーマとなり、更にそれはそう感じる自身の『より心の内からの声』へと視点と思考が移り、現在の表現コンセプトである『視覚的言語』へと繋がっていきました。




浮遊するパトス 112×145.5cm(80F)キャンバスにミクストメディア、新聞紙のコラージュ




Q. 最後に、私たちがまだお伺いできていないことで、読者の皆さまにぜひ伝えたいことがあれば教えてください。また、観客の方々に最も伝えたいメッセージがあれば、あわせてお願いいたします。

A. 私の場合、私の作品と表現は鑑賞者の心の中で見て解釈してほしいと思っています。そして鑑賞者の心の中で作品とタイトルを取り込んでそれぞれがフィードバックしていただければと思っています。

日本語でのアート、アーティストと言う言葉はとても便利で耳障りの良いフレーズです。そして魔法のようにその言葉は誰もがある意味スタイルのように気軽で気楽に使え、またある種ファッションのような衣として自身を飾ることも出来ます。

私の場合は個人的に造形や表現には具象画・抽象画にかかわらずまた、平面や立体に限らずその背景に毅然と裏打ちされたデッサン力が基盤にあり、そこに誰もが『美しい』とか『綺麗』と感じられるような要素があるかで作品を見ています。

そしてこれからもそのスタンスで自分自身を見つめ、心の声に耳をすませながら生涯にわたり表現活動を続けたいと思っています。










Contact
アーティスト : Hiroya Yamada (
山田 浩也)
インスタグラム : @

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